(正孔で成功)
実際に存在しないのに、あたかもそこにいるのを感じる存在。 人は時々、そんなものにおびえたり力をもらったりします。
半導体の中での電気の運び屋(キャリア)は、電子と正孔。 そう言われただけで、電子と正孔のイメージをはっきり持てる人はうらやましく思えます。 正孔という粒子は、実は存在しないのです。 その正孔なしには、半導体のp形は存在せず、今こうして文章を読んだり書いたりするのに使うコンピュータも動かなくなってしまうのです。 電子だけでは半導体のバイポーラ トランジスタは、増幅作用やスイッチング作用を行えません。 いわば”オバケ”である正孔が、現在の半導体産業を支えているのです。