2014年10月03日
9月12日(金)に、本校の課題研究「知的財産教育」の学生達が宮城県水産高校を訪問しました。これは、知的財産教育に熱心に取り組む専門高校との交流を図り、地域産業を理解し、地域に役立つアイデアの創造と実践、震災の再認識と防災教育への展開、未来産業人材育成として重要である知財教育のモチベーション向上を図ることを目的とし、INPIT(工業所有権情報・研修館)の「知的財産に関する創造力・実践力・活用力開発推進校事業」の一環として実現したものです。参加したのは、坂倉広樹さん(電気電子工学科4年)、岩崎由佳さん(生物応用化学科4年)、西村菜摘さん(材料工学科2年)、中野真紘さん(材料工学科2年)、渡邊充哉さん(材料工学科2年)の5名の学生達。課題研究「知的財産教育」を指導する大津孝佳教授の引率の元、朝7時に鈴鹿を出発し、高校のある石巻市渡波駅到着は14時30分。
この宮城県水産高校は本年度より、航海技術類型、機関工学類型、生物環境類型、フードビジネス類型、調理類型への学科改変を行い、特に、生物環境類型、フードビジネス類型は6次産業化や知的財産を意識した学習が加わりました。この6次産業化での生産(一次産業)・加工(二次産業)・販売(三次産業)の全てを自らが行うことで価値を生み出し、新しい水産業を作り出す中で、加工技術開発(製法特許)、デザイン(意匠)、ネーミング(商標)といった知的財産教育の果たす役割は重要とされます。
亀山校長に御挨拶した後、森本海洋総合科長より、万石浦の由来と水産としての魅力、震災による70cmの地盤沈下と水産業や生物への影響、水産教育施設での「ナマコの人工採苗」と世界を見据えた取り組みの必要性、若松情報科学科長より、クラブ活動として、地域の子供達に向けたアイデア創造作品の紹介とパテントコンテストに向けた取り組みについて、油谷食品科学類型長より、地域と取り組む魚醤を用いたオリジナル商品開発、その為の植物栽培など紹介して頂きました。また、本校学生達の研究テーマとの意見交換も行いました。
参加した渡邊さんは「何もなくてもアイデアさえあれば作品を作り出すことができることを改めて知らされたような気がしている。この学校の誰もがエネルギッシュで、全力で前に進もうとしている。」、西村さんは「もののない環境でも、ペンと紙があればなんだってできる。そういった貪欲な姿勢を自分も取り入れなければならない。」、中野さんは「知的財産教育にとても熱心に取り組まれており、高専に於いても多くの学生が知的財産教育を受けるべきだと感じました。」、坂倉さんは「6次産業化による商品開発などを他校と交流し協力して作り上げていくべきだと思いました。」、岩崎さんは「自分たちももっと地域と密着して活動を行っていかなくては、発展ができないと感じました。」とそれぞれ語り、新しい時代への取り組みに夢を膨らませていました。今後の「展開」が楽しみな高校訪問となりました。