2012年10月19日
10月17日(水)に、社団法人日本金属学会から本校専攻科生の鬼頭知宏さんが優秀ポスター賞を受賞した事を受け、本校において授賞式を実施しました。
今年9月17日~19日に愛媛大学城北キャンパスにおいて社団法人日本金属学会2012年秋期(第151回)大会が開催され、9月17日にはポスターによる研究発表が実施されました。158件のポスター発表中25件が優秀な研究発表として認められ、発表者に同賞が授与されました。受賞者の多くが大学院生である中、仙台高専と鈴鹿高専による2件の高専生による発表が受賞の栄誉を受けました。
この研究では、燃料電池自動車の燃料となる高純度水素を高効率に製造するための水素透過膜の開発に取り組んでいます。水素透過膜とは水素のみを選択的に透過することができる機能材料であり、水素を含む混合ガスから純水素を精製する上で欠かせない膜材料です。
膜の実用材料として知られているパラジウム合金膜の代わりに、パラジウムと比較して安価で水素製造効率の高いバナジウム膜を使った開発に取り組んでいるのが特徴。高価なパラジウムを一切使用することなく、実用材料の6倍以上も高い水素精製量を発揮するバナジウム膜の開発に成功したことを受け、その研究成果を金属学会のポスターセッションで発表しました。
本校材料工学科南部研究室に所属する学生にとって同賞は、今年3月に横浜国立大学で開催された日本金属学会2012年春期(第150回)大会に続けて連続の受賞となります。
鬼頭さんは、現在の研究をさらに発展させ、本校で開発された水素透過膜が世界中の水素ステーションで実用されることを夢みて、日夜研究に励んでいます。