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教育の特色

未来を切り拓く若い力を育む

鈴鹿高専は創立以来着実に進化し発展しています。 平成16年、独立行政法人化を機に、新たに建学の精神を範とした教育理念を掲げ、養成すべき人材像と教育目標を定めました。

鈴鹿高専は、「世界に飛躍する創造的な技術者」の育成に向けて新たな一歩を踏み出しま す。未来を切り拓き、21世紀を担う若い力を育むことによって社会貢献をも果たします。

鈴鹿高専はどのような学校ですか?

視野の広い創造的な技術者の育成

昭和37年に創設された高等専門学校の第一期校です。 現在、機械工学科、電気電子工学科、電子情報工学科、生物応用化学科、材料工学科の5学科と専攻科(総合イノベーション工学専攻) から成っています。卒業生は、工業各分野で技術者、研究者、経営者、企業家等々として活躍しています。

創設以来、“技術者はすべからく紳士・淑女たれ”という考え方が本校の教育の基底にあります。 専門教育の一層の高度化や創造力の育成が強く求められる現代であっても、 知・徳・体バランスの取れた人間性教育(全人教育)を重視す ることに変わりはありません。 新しい価値の創造とそれを保証する新技術の創出や組織の運営はすべてそれを担う人間の力に依拠するからです。

どのような教育を目指しますか

科学技術立国を国是とする我が国には今後ともたゆみない技術革新が求められます。このことを実現するには基礎研究の充実と新技術の創出が2つの柱となりますが、高専に求められるものは、後者の役割を担える優れたエンジニアの育成であると考えています。日本の技術者教育は、大学の工学部教育が一般的ですが、高専教育を中心とする5年一貫の教育制度もあるんだということをもっと世間に知ってもらう必要があると考えています。この教育課程はより実践的で創造的な技術者養成課程です。

新たな価値の創造に挑む

鈴鹿高専の教育目標を教えて下さい

自分の専門分野の知識と技術を知っていることはもちろんですが、それを実践的に使いこなす力、それを基にして新しいものを創造する力、そして創造したものの価値判断ができる力を備えた技術者を育成することを教育目標としています。21世紀においては、とくに人間の価値観・感性と科学技術を統合して新しい何か(価値)を生み出す力が必要になります。そのためには、技術者一人ひとりが広い視野と豊かな人間性を備えていなければなりませ ん。

また、グローバルな企業活動が当たり前の時代に入っていますので、実用的な観点からはしっかりしたコミュニケーション能力と国際感覚を身につける必要もあります。鈴鹿高専は、そのような力を育てることを狙いとした教育プログラムをもち、それを一層発展させたいと考えています。

豊かな人間性と技術者精神を培う

学生には何を期待し、何を求めますか

高専で学ぶ学生には明確な目標が見えています。創造性豊かな技術者の育成を目的とする5年一貫の教育がそれですが、さらに2年間の専攻科へ進むと、より幅の広い専門知識と研究開発能力を身につけた、きらっと輝くエンジニアとなることが期待できます。とはいえ、高専は単なる技術者養成機関ではありません。人文科学や社会科学などの一般教養も習得でき、また自由な学生生活を謳歌することができます。科学技術の進展と価値の多様化が進む技術社会に立ち向かうためには、自ら未来を切り拓く力、精神の力が必要となります。

また広い視野からの判断力と技術者としての倫理観が重要になります。クラブ活動やロボコン(アイデア対決・全国高専ロボットコンテスト)に代表される課外活動は人間の幅を広げてくれます。

鈴鹿高専は、学習を怠らず、自己研鑽に努める学生を支援します。知を重視する日本の教育界にあって、人格形成を正面に据えた教育を行っている高等教育機関は他にはありません。それが鈴鹿高専の特質です。

地域社会との連携

地域に根ざした特色ある産学官連携活動を進めます

鈴鹿市は、全国的にもユニークな産学官連携組織(SUZUKA産学官交流会)をもっていますが、鈴鹿高専はその発足当初から会の発展のために尽力してきました。この会は、単なる産学交流組織ではなく、地域における新事業の創出と産業振興を明確な目的とする連携組織です。これまでの精力的な活動の中から、シャクヤクの葉と花の抗菌活性の発見、健康街づくりビジョンの提案など地域結集型の新事業創出活動を生み出しています。

鈴鹿高専は、今後ともその中核として、新しい共同研究テーマの発掘、地域産業を担う人材の育成、構造改革特区事業における鈴鹿市との連携協力などを通して地域社会の発展に貢献します。

技術者支援や理科教育支援を推し進めます

鈴鹿市だけでなく三重県下でも数少ない理工系の高等教育機関である鈴鹿高専は、技術 者支援講座や工学専門講座の開講など可能なかぎり地域社会の要望に応えていける体制を整えています。とくに、最近の小中学生の理科離れへの対応策として、科学技術の楽しさや不思議さを知ってもらうことを目的として、小中学校へ出向いての出前授業や夏休みを利用したものづくり体験教室、オープンカレッジなどを開催しています。

※写真は「ドリームワールド・サイエンス授業(津市小学校の出前授業)風景」

SUZUKA産学官交流会

平成11年に発足した三重県鈴鹿市を中心とする産学官連携組織。市内の3つの高等教育機関と約50の企業が参画し、鈴鹿商工会議 所が事務局を担っている。三重県、鈴鹿市からも支援を受けて、各種交流事業、研究会活動、産学技術サロン等を運営し、「人づくり、 物づくり、街づくり」をスローガンとして新事業の創出や産業振興活動を行っている。商工会議所が中心となって産学官連携活動を進めている地域は全国的にも珍しく、中部経済産業局から産学官連携のモデル地区に指定されてもいます。

燃料電池技術を核とした産学官連携ものづくり特区

電気事業法の規制を緩和して燃料電池の実証試験等を行うとともに、関連企業の集積と育成を図ることを目的とした鈴鹿市の構造改革 特区事業であり、平成16年6月に国の認定を受けました。そこでは、鈴鹿高専が中核となって実証試験を行い、また市や企業と連携して 関連技術等に関する人材育成事業を推進します。