高等専門学校機関別認証評価
高等専門学校機関別認証評価とは
国・公・私立大学(短期大学を含む。)及び高等専門学校は、文部科学大臣が認証する評価機関(認証評価機関)の実施する教育研究活動、組織運営及び施設設備の総合的な状況に関する評価を7年以内ごとに受けることが法的に義務付けられています。国立高等専門学校は、認証評価機関である独立行政法人大学評価・学位授与機構が定める高等専門学校評価基準に基づいた高等専門学校機関別認証評価を受審します。
この機関別認証評価は以下のことを目的としており、評価基準を満たしていると認定されれば教育研究活動等の質が保証されることになります。
- 高等専門学校の教育研究活動等の質を保証すること。
- 評価結果を教育研究活動等の改善に役立てること。
- 高等専門学校の教育研究活動等の状況を社会に示し、公共的な機関として設置・運営されていることについて、広く国民の理解と支持が得られるよう支援・促進していくこと。
本校においては、平成24年度に引き続き、平成30年度に第3回目の機関別認証評価を受審しました。機関別認証評価では、教育研究活動等に関する評価基準1から基準8の基準ごとに本校の状況を分析した「自己評価書」を提出し、自己評価書について書面調査及び訪問調査を受けたうえで評価結果が確定します。
また、高等専門学校評価基準とは別に、「選択的評価事項A 研究活動の状況」及び「選択的評価事項B 地域貢献活動等の状況」に関する第三者評価も受審しました。
自己評価書
- Ⅰ 高等専門学校の現況及び特徴
- Ⅱ 目的
- Ⅲ 基準ごとの自己評価
- 基準1 教育の内部質保証システム
- 基準2 教育組織及び教員・教育支援者等
- 基準3 学習環境及び学生支援等
- 基準4 財務基盤及び管理運営
- 基準5 準学士課程の教育課程・教育方法
- 基準6 準学士課程の学生の受入れ
- 基準7 準学士課程の学習・教育の成果
- 基準8 専攻科課程の教育活動の状況
高等専門学校機関別認証評価結果
評価結果は大学評価・学位授与機構から「評価報告書」として公表されています。以下のように高等専門学校評価基準を満たしていると認定され、教育内容及び方法、教育の成果、教育の質の向上及び改善のためのシステム、管理運営の基準に関する数多くの取組が高く評価されました。
また、「選択的評価事項A 研究活動の状況」及び「選択的評価事項B 地域貢献活動等の状況」に対する目的の達成状況等を4段階で示す評価結果は、「目的の達成状況が良好である」との評価を得ることができました。
認証評価結果
鈴鹿工業高等専門学校は、高等専門学校設置基準をはじめ関係法令に適合し、大学改革支援・学位授与機構が定める高等専門学校評価基準を満たしている。
重点評価項目である評価の視点1-1については、重点評価項目の内容を全て満たしている。
主な優れた点として、次のことが挙げられる。
- 卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の「人文社会の基礎知識と幅広い教育」を実現するための一手段として、3年次生以下の学生全員に、読書体験記・エッセイコンクールへ参加させ、優れた成果を上げている。
- グローバルに活躍する人材を育成するため、外部の教育資源を活用し、海外の教育機関と協定を締結し、学術・文化交流を推進しており、当校の協定校や他の機関等を利用して、交流プログラム、グローバルエンジニアプログラム等を実施し、平成28年度は39人、平成29年度は53人の学生が海外研修、海外インターンシップ、国際インターンシップ等に参加している。一方、留学生が常時10人前後在籍しており、留学生との交流、また、協定校の学生との相互訪問等を行っている。これらの活発な学生交流により、国際性の育成に関して実績を上げている。
- 創造性を育む工夫として、PBL型の授業である「創造工学」(必修2単位)を全学科の4年次の前期科目として開設し、学生がこれまでに得た知識と技術を活かし、学生自ら創作物をゼロから発案、設計・作製して、高専祭での展示を目指し、優れた作品には当校の協力企業で構成される鈴鹿高専テクノプラザによる表彰を行っている。こうした授業の成果として、アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト、全国高等専門学校プログラミングコンテスト、ソーラーカーレース鈴鹿等において優れた成果を上げている。
- インターンシップは、学生が学校で学習した各学科の専門的な基礎知識をもとに、実習先で実務を実習することによって実践力を身に付ける貴重な機会であると考えており、学校としては、学生の指導が担当可能な実習機関を選定した上で、学生に対して、日報の作成、実習後の報告書の作成、及び報告会での発表を義務付けることにより、着実に実践力が身に付くように工夫しており、準学士課程学生の約90%が単位修得している。
- グローバルに活躍できる人材を育成するため、毎年2年次に全員参加で英語圏であるマレーシア・シンガポールへの海外研修を実施しており、特別活動において、長時間の事前準備、海外研修への心構え、英語でのコミュニケーション能力、日本と外国との意識の違い等を勉強することで、国際性を身に付けさせ、また、この研修後、学生の英語の学習意欲向上等の効果が上がっている。
- 就職について、準学士課程、専攻科課程ともに就職率(就職者数/就職希望者数)は極めて高く、就職先も当校が育成する技術者像にふさわしい製造業、情報通信業、電気・ガス・熱供給・水道業、学術研究、専門・技術サービス業等となっている。進学についても、準学士課程、専攻科課程ともに進学率(進学者数/進学希望者数)は極めて高く、進学先も学科・専攻の分野に関連した高等専門学校の専攻科や大学の工学系の学部や研究科等となっている。
さらに、「評価報告書」では、学習環境及び学生支援等、財務基盤及び管理運営の基準に関する以下のような取組も優れていると評価されました。
- 就職や進学等の進路指導を含め、キャリア教育の態勢を整備しており、進路支援委員会を中心に、就職の手引き・進学の手引きの作成、学年に応じた進路指導(就職・進学)ガイダンス、インターンシップ説明会、キャリアガイダンスを行っており、学生の満足度も高いものとなっている。
- 当校の人的・知的技術資源を活用して企業の活性化に役立てるとともに、当校の教育研究の振興に協力することを目的として平成25年に設立された鈴鹿高専テクノプラザにおいて、会員企業との協力による企業ガイドブックの作成、知的財産教育の支援、創造工学活動の表彰、学生の海外派遣等を行っている。
選択的評価事項に係る評価結果
鈴鹿工業高等専門学校は、大学改革支援・学位授与機構が定める「選択的評価事項A 研究活動の状況」において、目的の達成状況が良好である。
鈴鹿工業高等専門学校は、大学改革支援・学位授与機構が定める「選択的評価事項B 地域貢献活動等の状況」において、目的の達成状況が良好である。