2024年8月26日から28日にかけて、鈴鹿高専においてGEARマテリアル新素材キャンプが開催されました。本キャンプは、新素材に関する最先端技術や知識を学ぶことを目的としており、高専生および指導教員のネットワークを広げ、実践的なスキルを身につける機会を提供するものです。キャンプの冒頭では、藤本慎司校長による挨拶が行われ、「自分も材料科学者なので,学生の機器分析の学習に期待している」との力強いメッセージが伝えられました。
初日には、東京大学の栗田佳代子教授によるティーチングポートフォリオを改良した「構造化学習ポートフォリオ」を用いたグループワークが行われ、翌日からの高度材料分析機器の活用に向けた準備と計画が進められました。2日目には、鈴鹿高専の平井信充教授が担当する共焦点レーザ顕微鏡、黒田大介教授によるSEM-EDX、幸後健准教授のラマン分光分析の3つのグループに分かれ、実際の材料分析を実施しました。
最終日の午前中には、藤本校長のご臨席のもと、各グループが学習成果を発表し、質疑応答が行われました。発表会では、学生たちが自らの分析結果をもとにディスカッションを行い、学びを深めました。後日実施されたアンケートでは、参加者の意識がキャンプ前後でポジティブな方向に変化し、モチベーションが高まったことが定量的に確認され、有意義なイベントとなったことが示されました。
今年度の参加者は17名にのぼり、GEARマテリアル参加校である鶴岡高専、呉高専、大分高専に加え、東京高専や宇部高専からの参加もありました。鶴岡高専の上條利夫教授、宇部高専の廣原志保教授、大分高専の尾形公一郎教授、徳丸和樹助教が学生の引率と指導を行い、高専間での機器共有の可能性が広がるきっかけとなりました。また、高専機構本部からは内海康雄GEAR統括教授にご参加いただき、キャンプの意義をさらに深める機会となりました。
本キャンプの成功は、今後の高専教育や新素材研究の発展に向けた一歩となるでしょう。